真のスマート化は「カシャってやったらドンッ」

スマートライフ 2015年01月05日

真のスマート化は「カシャってやったらドンッ」

昨今話題となり、市場が拡大しつつあるスマートハウス。電力の見える化(HEMS)やホームオートメーションなど、その方法と切り口も様々である。スマートサーブもその特徴を活かし、HEMSで使用するネットワークとして企業に導入されている。今回は、スマートハウスに関する独自の発想を持ち、スマート化をするために家を購入してしまった(!)、株式会社ユードーの南雲玲生社長に、スマート化の実験から始まり、スマートハウスの考え方、そして会社での働き方など、様々な切り口でお話を伺った。これからのスマートハウスはどのような発展を遂げるのだろうか。
(文中、敬称は省略させていただきます)

─こちらが御社の新しいオフィスとのことですが、こちらでも様々なスマート化の取り組みをされていますね。

南雲:「まずこれは真空管アンプ。まだ実験段階ですが、ネットワークに接続したコンセント制御で、電源のオンオフや AirPlayに音を飛ばす、っていうのをやっています」

─新オフィスの会議室ですが、このロケーションは素晴らしいですね。いい意味で仕事をする気がなくなるような・・・

南雲:「そうですそうです! もうそれでいい。社員が朝会社に来て机に座って真面目に仕事する、それもいいことなんですけど、それが仕事だと思っちゃうのを変えたくて。君たちが頑張らなくちゃいけないのはそこじゃないよって。誰にもない自分の才能を開花させていって欲しくて、あえて会社っぽくないところを選んでみました」

─2014年初頭からはじまった南雲さんの『つくるスマートハウス』、今はどんな風になっていますか?

南雲:「ゆっくりやっている感じですね。家族の協力が必須ですが、玄関、一階、庭は全部カメラを置いていますね。監視カメラの役割もあるんですけど、僕が出張に行った時とかに、Google Glassをかけてランニングしたり歩いたりしてる時、その風景が家のリビングの70インチのモニターに映るんですよね(笑)」

─今どこにいる、ということも全部わかるんですね。

南雲:「テレビをつけながら、子供達はサンフランシスコはどういうところか知らないので、『スーパー入ってみてよ』って言われて『わかった』って言って。『へぇ、これこういう風に売ってるんだ』『これバナナ?』とか。リアルタイムでテレビ電話のような動画ストリーミングのようなことをやっていると。

スマートハウスだけじゃないんですけど、実際に『使う人』が本当に考えずに使えないとダメなんですよ。例えば、『こういう風にすれば動く』とか『次にこうしてください』とか、それダメです。スマートじゃない。よくわかんない人が、適当にピーってやれば動く、ぐらいじゃないとダメです。IFTTTってサービスがありますが、ああいう感じで。何もしなくても動く、つながるっていう感じで。本当に『使う人』は考えたくないんですよ。もうペタって貼るだけとか」

南雲:「モノを作る人たちは技術、ハードウェア思考が強すぎて、そうなってないような気がします。例えばデバイスには何かコードが貼ってあって、カメラでピッって見ればネット認証しちゃってるとか。そういうところに最高に力をかけることが、スマートハウス・ホームのヒットにつながると思いますね。

例えば、Skypeをやるのは、それだけだと結局気軽じゃないんですよ。Skypeするためにその部屋に行ったり、電話機とりに行ったり、IDを入れるとか面倒。僕の家のウェブカメラは、着信があるとリビングのテレビの電源が自動で入って、すぐに話が出来るんです。つまり、設定が何とかとか、リモコンはこのモードにしてとか一切ない。ポイントはそこだと思うんですよ。

まぁその代わり、子供達が漫画とかアニメ見てても、いきなりお父さんの顔がテレビに映るとかあるんですけど(笑)、でもそれがすごくいい。僕の実家の両親とも、インターネットが何とかわからなくてもできるんですよ。裏は色んな技術を駆使しているけど、それを見せないっていうところが本当の技術力じゃないかなと」


リモコンを応用して制御する仕組みを説明する南雲さん


天井の電球ソケットにくくりつけられたカメラ

─本当に使う人の立場になる、っていうのはそういうところかもしれませんね。

南雲:「Skypeがこうなって映像がこうなってテレビがこうなって、ではなく、『カシャってやったらドンってなる』。技術者は、仕組みは出来たから、こうしてこうしてこうすればできる、になるけどそれじゃダメだめなんだよと。使う人はわからないですよね。

よくITだと、UX/UIとか言ってますけど、そんな難しいことじゃなくて、おばあちゃんも使えるかどうかっていうところが重要なのに。敷居が高い。全然高いですよね」

─IFTTTは以前からかなり活用されていましたね。

南雲:「そうですね。対応していないサービスを対応させるのはまだ面倒くさいんですけど、それが中心になるんじゃないかと思います。僕の家では、玄関に人が来たら通知が来るんですけど、このメールを受信したら、例えば家のテレビをババッと大声で鳴らすとか(笑)。もしそれが夜だったら、照明をつけてテレビの音を消す、そうすると人がいるように見えるとか」

南雲:「アメリカや中国ではスマートホームのための面白いデバイスが結構出てたり、普通の量販店にもあるんですよ。基本的にリモート大好きなんですね(笑)。

ただ日本は特殊かなっていうのがあって、日本のやり方だと合理的、つまり面白さ楽しさではなくて、必要、っていうところからスタートすればいいと思う。例えば防犯ですね。スマートホームとかスマートハウスっていうアプローチじゃなくて、防犯で。特に女性。自分の居場所を親しい人にだけ安全に通知できるとか、自分がいない時でも家の照明がオンになったり、男性がいるような声を再生するとか、そういうところじゃないかな、と思ってますね」

─誰に対するモノか、というのはやはり重要だと考えています。

南雲:「ペルソナってよく言いますけど、うちの妻だったら喜ぶかな?とか、女性だったら?とか、スマートハウスとかの技術は置いておいて、この人たちがテクノロジーとかスマートフォンを使って次はどうなるのか、どうすれば役に立つか、っていうところをつなぐんですね。

ここまで来ると心理的なところを考えなければいけなくて、『なんとなく』とか『いいと思う』という感性ってすごく重要で、『なんとなく思った』っていうところには、絶対に理由があるんです。潜在的なものか、普段インプットしている情報に何かあってとか。

そうすると、スマートハウスやスマートホームの技術的なところっていうのは、あくまでも表面的なところであって、何が必要なのか、それはなぜなのかっていうところを突き詰めないといけないと思います。『なんとなく』ではやっぱり失敗するんじゃないかと(笑)。

一般消費者向けのサービスを考えると、『スマートハウス』のド直球は、やっぱりまだ早いと思う。そこに行き着くまでの道筋を見つけたモノ勝ちかなって。

あとですね。僕の経験上で言うと、いいものは宣伝しなくても普及するって感じがあって。ゼロからイチに行くまでは、宣伝しなくてもある程度普及するのがすごく大事です。宣伝しなくても使いたいっていう人達を基盤にして、ある程度の規模にきてから宣伝するんです。あと、本当に広がるサービスっていうのは、ネットじゃなくてリアルな口コミが働く、っていうのも正しいんじゃないかなと思っています」

編集後記: 今回のインタビューでは、これ以外にも会社での働き方、文化、音楽など、様々な分野について、長時間に渡ってお話いただきました。南雲社長、本当にありがとうございました。今後、南雲社長が実際に取り組まれている、自宅のスマート化の様子などをレポートしていきたいと思っています。

編集部紹介
  • Mタル課長 Mタル課長企画部の課長でスマートサーブWebサイトの編集長。ネットオタクでガジェットオタクだが、実態は厨ニ病バンドマン。
  • よっしー よっしースマートサーブ担当なのにスマートじゃないので、ダイエット中です。好きな言葉は「世界最小・最軽量」。
  • しゅんさん しゅんさんPCや家電の扱いは、苦手です。説明書は読まない派です。
  • おすぎ おすぎ学生時代の体力維持のため水泳が日課。泳いだ後はおへやプラスを必ずチェックします。その後はスクワットです。
  • つっきー つっきー編集部で最年少の新入りです。しゅん先輩のもとで修行中です。ネコよりもイヌ派です。
  • ゼット ゼットガジェット好きです。最近の物色先はもっぱらkickstarterです。
  • よつば よつばスマートサーブ初心者。快適なスマートライフを実現して食材を無駄なく使いたいです。
  • みどり みどりスマートサーブ初心者その2です。 隣の席のよつばさんと一緒にスマートサーブについてお勉強していきたいです。

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